船形山は奥羽山脈のほぼ中央、宮城と山形県にまたがる船形連峰の主峰。 東西南北に十字型に尾根を伸ばし標高1500mの山でありながら山彙の深い山である。
山名の由来になったと云われる船底上にして船を伏せたような台形の山姿が特徴的な山。 大和町吉岡の町や達居森から西に見える船形山は、正しく船を伏せた姿に見える。
一等三角点のある山頂には船形神社が奉られ、麓の船形山神社と船形神社には船にまつわる伝説が伝えられる山岳信仰の山である。
山形県側では御所山と呼ばれ、承久の乱に佐渡へ流された順徳天皇がこの山に隠れ住んだという伝説がある。 また、古くから修験者の山としても知られ5つの峰を巡礼した「五ヶ所山」が山名の由来と云う説もある。
かつては白神山地より広いブナの原生林があったそうだが、度重なる伐採により激変した。 米どころ大崎平野に豊かな水をもたらす船形連峰のブナ林は、宮城の遺産として後世まで残して行きたいものだ。
登山道は、宮城県側に大滝コース・升沢コース・小野田コース・蛇ガ岳コースがあり、山形県側にはクラビコース・層雲峡コース・観音寺コースがある。 いずれもブナ林の中を登る変化に富んだ山歩きが楽しめる。