保呂羽山のある南三陸町は、歌津町と志津川町の合併により誕生した町。 旧志津川町には、二つの保呂羽山があり、地元では志津川港の西奥に聳える保呂羽山を『オトコ・ホロワ』と呼んでいる。 南三陸の海から眺めると、山頂に杉の大木の並木が見える志津川港に入港する船の目印になった風格のある山だ。 ちなみに、志津川湾の南に突き出た景勝地『神割崎』で有名な戸倉半島にある保呂羽山は、『オンナ・ホロワ』と呼ばれる。
ホロワとはアイヌ語の『大きな霊山』という意味のようで、古くから信仰の山として崇められた。 保呂羽と名の付く山は岩手県や秋田県にもあり、修験者や山伏が広めたと云われる保呂羽信仰に由来するものと思われる。 山頂に奉られた保呂羽権現(明治の神仏分離で神社となった。)は、水と作物の神であり、鉱山・鉱物の神様として北上山地から採掘された金と深い関わりがあったと伝えられるが、定かではない。
雄・保呂羽山には麓の上保呂毛から登る。 中腹の三本杉までバスが入れる広い道があり鳥居をくぐった奥に駐車場がある。 涌き水の池や東屋・トイレが整備され、『正鵠の森』 として公園化されたようだ。 三本杉から約300mの所に登山口の分岐があり、右折して山道を登るが車の通れる林道になっていて山道の風情はない。 山頂まで快適過ぎる道だった。
所要時間=登り:35分 下り: 分 |