みやぎ里山文庫 
報告者 : emanon 
石巻市の山  15-008
 ■地形図
松島 (1/50000)
 ■所在地
石巻市泊浜字泊山国有林
 ■山行日
2011.3.6
 ■登山道
登山道なし
 ■ マップ
ルートマップ
光 山 (ひかりやま)
 標 高 / 三角点
444.8m / 二等三角点 (点名:光山) 
※ 東日本大地震により成果異常 ※
 概 要


 万石浦より南に位置する牡鹿半島には、島山島である金華山を含めると半島最高クラスの440m級の山が3座存在する。 北から、440.3mの大六天山、444.8mの光山、そして445.2mの金華山である。その中で光山は、信仰の山である大六天山や金華山とは違って神社や石祠が無く、したがって古くからの参道もあり得ない、あまり人に登られない山だ。
市販の登山ガイド本にも「登路が無い」と記されている。 そういう私も長い間、光山は藪が濃く山頂まで容易には辿り着けない山だと思い込んでいた。
ところが近頃、比較的楽に辿れる登路を発見したのでここに紹介する。


 そのコースとは、光山林道を一部利用し、山頂から南に伸びる尾根に取り付くというものである。 光山林道はコバルトライン鬼形ICを2.2kmほど北上した地点に起点があり、光山の東側斜面を横断して作られている。
 コバルトラインに接する光山林道起点から10分ほど林道を歩くと、右カーブの左手に尾根への取り付きポイントが現れる。 目印が無いので注意して見逃さないようにしよう。林道から杉の植林の坂に分け入る。

 それほど急坂には見えないが、息が切れるほどには急な坂だ。 およそ5分間、上り坂と格闘すると尾根上に出る。 そこは結構広いスペースの平地になっており、集材置き場跡ではと推測される。
 平地から尾根道を北に向かって登ってゆくと、道が左右に分かれる。右の道をとれば、アップダウンの末、終いには光山林道に下る。 左の道も下り坂になっている。
 光山山頂を目指す方は目標を高い所に据え、左右どちらの道もとらずに、まっすぐ道無き道の尾根にルートをとる。


 暫し、まばらな藪こぎルートとなる。所々に現れる山椒のトゲを避けながら、一斉に枯れたらしい低いササやぶを進む。  随所にシカの糞が散見され、この一帯はまぎれもなく野生シカの生息地域であることに気付かされる。  また金華山と同様に、シカによって食べられにくいトゲのある木だけが多く残って自生している。

 南尾根の坂道を上ってゆくと次第に左手に大草山が見えてくる。 山頂付近に鉄塔が林立している山だ。 その横に人石山も見える。 二つの山を眺めながら高度をかせいでゆくと、尾根上に出てから30分、前方にピークが現れる。 430mピークだ。周囲は雑木林の林床となり、雰囲気は良い。  ここらで休憩。 水分およびカロリーを補給する。 ひと息ついて、辺りに何か目印は無いかと探してみる。・・・あった!  「山」という字が彫られた石標。

 さて、再び山頂への登りを開始する。 ピークから西へ少し廻ると、屹立した岩が現れる。 大きくはないが風格のある岩で、この山ルートに良いアクセントを添えている。 岩の脇を通過した後は、それまでと打って変わって傾斜の緩い、やや平坦な道となる。
また、防火帯であったのか草木があまり茂っておらず、快適に登ることができる。 430mピークから10分ほどで山頂三角点に到着。  頂上という感じではないが、雰囲気は良好。 三角点より東へ少し下ると、太平洋上に金華山が眺望できる。
 山頂手前には下から上がって来ている道がいくつか見られた。 他にも登路が存在するのかも知れない。

さて、三角点であるが、光山の最高地点より少し北側に下った地点に置かれているようだ。
つまり、光山の実際の高さは三角点の標高444.8mよりも若干高いと言える。

 帰りは来た道を戻るが、光山林道に下りず、そのまま尾根を下ってコバルトラインに出ることも可能。

比高=約174m      所要時間=登り: 60分 下り: 40分
  

 特 記

 
 ※ 一帯はニホンジカの生息域。冬期間にはシカの狩猟が行われることもある。 万が一にも誤射を受けぬよう、狩猟期間中はもちろんのこと、2月いっぱいは入山を控えたほうが無難。
  このことは大六天山など半島の他の山についても同様に言えることだ。

 

008hikariyama01.jpg
光山林道・尾根への取り付き点。
008hikariyama02.jpg
無線塔の乱立する大草山。
008hikariyama03.jpg
金華山が見える。
008hikariyama04.jpg
三角点より、来た道を振り返る。
008hikariyama05.jpg
大六天山方面から見た光山およびその周辺の山々

[ 掲載日 2011/06/02 ]  

みやぎ里山文庫