仙台市泉区根白石にある堂庭山は、黒川郡との郡境に位置する里山。　山麓の堂所（どうどころ）は寺岡と宮床を結ぶ旧奥州街道沿いの場所である。
宮床ダムの南、国道４５７号線の九ノ森トンネル手前から堂所に入ると、道沿いに『堂庭山廃寺跡』と書かれた標柱がある。　標柱から私道を民家の奥に入ると鳥居があった。

堂庭山の山頂には鷲尾神社が奉られており地域の里山として大切に守られてきた。　三角点は鷲尾神社から北西へ１００mほど雑木林を進んだ杉林の手前にあった。　夏草が繁ると解かり難いだろう。
山頂は木々に囲まれ展望はない。　樹間から笹倉山が大きく見える。　西方向に杉林の境を進むと泉ヶ岳が見えるようになるが、葉が繁ると見えなくなるだろう。

鷲尾神社のある山頂南東部は古い寺院の跡で、近年仙台市が発掘調査を行い１０世紀中頃に建てられた大日宝塔跡と鐘楼跡が見つかった。　国府『多賀城』の西域を守る鎮護寺が平安時代に在ったと考えられる。　ただ、寺の名前など全容はわからなかったため、『堂庭山廃寺宝塔跡』と名付けられた。

所要時間＝比高　　　ｍ　登り：20分　下り：15分
　

　
　※　鷲尾神社の杉林が良い雰囲気、手入れが行き届いているようだ。

　※　駐車場がないので５０ｍほど先の集会所を借りた。　鳥居のある登山口は民家の敷地内なので車で進入しない。

堂所から参道を登る。　山上に鷲倉神社と平安時代のものととされる多宝塔遺跡がある。　眺望はない。　残雪期の好天の日、下りに宮床ダムへと続く尾根を歩くのもいい。
堂所や、堀田沢（ほったのさわ）は戸数わずかの集落で仙台の隠れ里だったが近年、市の霊園造成が行われ大変貌中（堀田沢は消滅）南には三菱パークタウンの団地が近接、にもかかわらず自然味豊かで里山散策にはいい場所だ。ダム工事や霊園造成以前は細い道１本しかなかった。

所要時間＝比高　120ｍ　登り：30分　下り：25分
　　

　
　※　参道入り口が判りにくい、民家の庭先―という感じだ。

　※　堂所から山上まで参道があるが、宮床ダムへのコースはなし

　※　堂所には国道457宮床ダム北側からは入る。東の根白石中学校脇からは昔のままの山道がある。